GAUZINE





================================================ No.049 2003/11/20 ===

  W E B  D E S I G N E R S  M A G A Z I N E  G A U Z I N E

   [COVER] http://www.gaucho.com/gauzine/gallery/031120.html 

======================================================================
                        配信部数:5,609部
『GAUZINE』 No.049 のラインナップ
 ┃
 ┣『ショートムービー研究所』
 ┃ 「物語をつくる(5)対比、強調、省略」
 ┣『ちょっと知っておきたいコミュニケーションデザイン』
 ┃ 「生き残るwebデザイナーその2:キャリアというもの」
 ┣『お金をかけないサイト運営術』
 ┃ 「デザインの前にやるべきこと」 
 ┗『編集後記』「環境の変化と音」
 
======================================================================
『ショートムービー研究所』
   「物語をつくる(5)対比、強調、省略」 
======================================================================

『ショートムービー研究所』は、ブロードバンド時代に対応していくスキル
としての「映像表現」について探求していく企画です。

「物語をつくる(1)テーマと設定」
「物語をつくる(2)テーマの背後にあるもの」
「物語をつくる(3)主人公のキャラクター」
「物語をつくる(4)ストーリーの構成」 

と、物語づくりに関して、いろいろご紹介してきましたが、今回は物語を
表現する場合のスパイスとも言えるいくつかの手法について考えてみました。

■「対比」 

「対比」は物語づくりに限らず、表現を強化するひとつの手法として、さま
ざまな分野で使われています。「色」を表現する場合も、異なる色が組み合
わされることによって、はじめてお互いの色が際だって見えてくるように、
相反する要素を持ったものを同じ舞台に並べて対比させることは、それぞれ
の特徴や個性をより明確に表現することにつながっていきます。

 ブギーナイツ
例えば、映画「ブギーナイツ」は前半と後半で、作品のトーンや雰囲気が
全く変わっています。前半は、主人公がポルノ映画のスターとして登りつめ
ていく「栄光編」が明るいトーンで描かれ、後半は、主人公が麻薬に溺れ
転落していく「挫折編」が暗いトーンで描かれています。
これは、「ブギーナイツ」に限らず、多くの作品で使われている手法ですが
「物語」というものが、時間的経過による「変化」を描く芸術である以上、
人生や旅のプロセスを描く場合、こうした「対比」を見せることが、効果的
な方法と言えるからです。

「対比」には、あらゆる要素があります。
日常と非日常、現実と虚構、希望と絶望、信頼と裏切り、光と影、生と死
善と悪、男と女など、物語のテーマそのものになるほど、対比させること
のできる要素は数多く存在します。

 マルホランド・ドライブ
映画「マルホランド・ドライブ」もこの対比が効果的に使われています。
物語は中盤、唐突に反転し、「もう一つの世界」に変わっていきます。
どちらが「夢」で、どちらが「現実」なのか、二つのパラレルワールドの
逆転や相関性に混乱しつつも、物語はスリリングに展開していきます。

物語における「対比」は物事の二元性の強調であり、現実世界を描き、
理解する上でも重要な視点やヒントを提供してくれています。

■「強調」 

「強調」は何かの要素を際だたせることですが、「物語」の場合、登場
人物の性格を普通より少し極端に造形してキャラクターをデフォルメしたり、
出来事や事件を、より劇的に描くことによって表現を強化します。

「強調」の目的が、何かを強く印象づけることだとすると、同じことを
繰り返す「反復」もこの強調に近い表現方法といえます。

例えば、主人公がごく平凡な日常から非日常的世界に旅立つような話の
場合、平凡な日常生活の様子を何回か、反復させて描くことによって、
主人公の現状がよく伝わってきます。日常が平凡であればあるほど、
そのあと体験する非日常的世界との対比が明確になり、反復による
強調が物語にメリハリをつけていきます。

登場人物が同じ失敗を繰り返すことも、変化することのできない現状や
その人物の性格を強調しているわけですが、それが何かのきっかけで変化
するとき、その変化は劇的であり、驚きとして、見るものに伝わります。

また、「反復」は物語の伏線として機能する場合もあります。
さりげなく何度か登場していた人物が、実は犯人だったり、あとで重要
な役割を果たす人物だったり、物語のヒントが「反復」によって、何度
も提示されている場合もあります。

■「省略」 

「物語」は時間的経過を描いているわけですが、そのすべての時間は描く
わけにはいきません。限られた時間内で、ある出来事を描いていく場合、
適切な「省略」が必要になってきます。
ただし、「省略」することによって、その前後の関係が不明確にならない
ように、上手に省略することが大切になってきます。

「省略」を逆に考えれば、「どの部分を残すか」と言い換えることもできる
ため、この作業は物語の「どの部分を選択するか」という作業とも関連して
きます。どこをカットして、どこを残すかというは、いわゆる「編集」作業
でもあり、物語全体のバランスを考えながら、どう仕上げていくか、という
最終工程ともいえます。

時間的経過は、「一年後」「十年後」とか「その翌日」という字幕ですます
ことができますが、時間的経過が長ければ長いほど、その間の変化を対比
的に描くことができます。

「対比」「強調」「省略」というスパイスは、言葉は異なりますが、どこか
つながった要素でもあり、それらの配合バランスが、その物語の「味」を
決めていっているような気がします。

----------------------------------------------------------------------
【PROFILE】 尾崎英明  [ GAUCHO ]
 http://www.gaucho.com/  mailto:gaucho@hal.ne.jp
----------------------------------------------------------------------
 
======================================================================
『ちょっと知っておきたいコミュニケーションデザイン』
         「〜生き残るwebデザイナーその2:キャリアというもの」
======================================================================

以前勤めていた会社ではカレンダーをつくっていました。社内のデザイナー、プ
ランナー、営業が参画し、毎年30〜40ほどのアイテムを世に出していました。平
素、受注業務が多いクリエイターにとってはモチベーションが高まる仕事だった
ように感じます。

ところが社内の合同会議はそれほどスムーズに進みません。

■ 商品をつくりたい人、作品をつくりたい人。

営業マンに「売れなくてもいいよ」と言う人はいません。かたや、デザイナーは
どうか?
「売れなくても賞がとれるカレンダー」
「賞はとれなくても売れるカレンダー」
仮に、どちらか片方を選べと神様から言われたら大いに迷うものです。しかも、
僕は前者
「売れなくても賞がとれるカレンダー」
を選ぶ人が少なからず多い気がします。実際にそういう方を多く見てきたので、
ほぼ間違いないでしょう。最初から理想が違うのです。商品開発会議がスムーズ
にゆかないのは、カレンダーを商品としてみたいか、作品としてみるかの差から
生まれていたといっても過言ではありません。


■「モノ」ではなく「キャリア」に関わる問題だから。

食い違う理想。勘違いしそうですが、カレンダーに対しての理想ではありませ
ん。単にアイテムだけへの意見だったら、めくじらたてて互いがぶつかりあうこ
ともないでしょう。実は、それぞれの「キャリア」をみているのです。自分の評
価を投影しています。営業マンは数字をあげる力、デザイナーはクリエイティブ
と一目おかれる力。自分のことになるので、やすやすと折れません。

昔、営業育ちの上司に、デザイナーの説明をする際に「一流企業の指名コンペに
も参加される、有名なデザイナーさんです」と言うと理解が早かったりしまし
た。裏をかえせば、彼は「有名か否か?」という点しか関心がないわけです。あ
る意味自然なことです。
この上司のようなクライアント担当者さんも少なからずいらっしゃるでしょう。
デザイナーが「作品づくり」でキャリアを磨きたがるのも、自分を評価する側が
何を重んじるか、よく知っているからなのです。


■ ビジネスゴールの共有は、実はキャリアの共有。

「Web構築では、関わる人全員にゴールの共有が欠かせない。」よくささやかれ
る言葉です。単なる表現物ではない、(ビジネス)コミュニケーションの場をつ
くる仕事ですから当然です。
しかし、私がよく聞く、デザイナーの悩みは「クライアントの理解がない」がほ
とんどです。
我がキャリアばかり暗喩しつづけていはしまいか?と自問自答されても、と思う
ことも少なくありません。

最近「Webの現場は混沌としているから」というデザイナーの方にお会いしまし
た。様々な経歴の人が関わっているわけですから当たり前です。これを面白いと
みるか危惧とみるか。私はWebが既存のキャリア意識をぐんと多様化し、また問
い直させてくれそうな点に醍醐味があると感じています。また、本当に力がある
人はすんなり生き抜いておられますし。あ、冒頭の例で

「売れて、賞もとれるカレンダー」

をつくれる人、いやチームという選択肢を忘れてました。キャリアを共有できる
彼らに任せれば、最高のweb構築ができることでしょう。

----------------------------------------------------------------------
【PROFILE】 井浦むつお  [ 有限会社ヒキダス ]
 http://www.hikidas.com/  mailto:iura@hikidas.com
----------------------------------------------------------------------
 
======================================================================
『お金をかけないサイト運営術』
   「デザインの前にやるべきこと」
======================================================================

お金をかけずに魅力あるサイトに変えるテクニックを伝授する連載5回目。
前回は、サイトの問題点を抽出し改善する、アクセス解析についてお話しまし
た。今回は、プロジェクトを進める上で重要な、クライアントとのコミュニ
ケーションについてです。

■ よく聞かれる、3つの「ない」

プロジェクトがうまくいかない原因として、デザイナーがよく口にするのが
「(デザインへの)理解がない」「時間がない」「予算が少ない」の3つの「な
い」である。

クライアントが「理解がない」から、デザインに対して沢山の修正が出る。そ
れに対応していると、スケジュール通りに進まなくて「時間がない」。見積り
より作業量が増えているのに、予算はが増えないから「お金がない」。

この3つの「ない」をグチっているだけでは、いつまでも状況を買えることは
出来ない。ほとんどの場合、この「ないない尽くし」に陥いる原因は、お互い
のコミュニケーションが「足りない」ことにある。

コミュニケーション不足が起こるのは、「このくらい相手も分かっているだろ
う」と確認の手間を省いてしまうからだ。「言った」「言わない」ほんの小さ
ないきちがいが、大きなトラブルに発展するのだ。

■ スタート前に「 RFP 」を作る

プロジェクト開始時に肝心なのは、クライアントとデザイナーがゴールを共有
することだ。目的地がバラバラで、いいデザインなんて出来るわけがない。し
かしキチンと確認したつもりでも誤解があったり、後日要件が追加されたりと、
いつの間にかズレてしまうことが多い。

ゴールを見失わないためには、書類にまとめておくことが最も効果的だ。プロ
ジェクト開始時に準備すべき書類を、RFP (Request for Proposal)と呼ぶ。本
来、クライアント側が準備するものだが、デザイナーが作成してもいい。むし
ろその方が、成果物のイメージを明確にできるかもしれない。

凝った資料は必要ない。A4の紙一枚に「制作内容」「費用」「期限」この3つ
を、お互いが理解できる言葉で整理してあれば十分だ。面倒がらずにRFPを準
備することで、後から生じるズレを防ぐことが出来る。

■ スケジュールは時間単位で

締め切りを守っていても、スケジュールが遅れることがある。例えば、提出の
タイミングがその日の朝か夕方かの違いで、次の作業が1日ズレてしまう。こ
の積み重ねは、スケジュールを遅らせるだけでなく、お互いにとって大きなス
トレスになる。

スケジュール、特に締め切りは、時間単位で決める。例えば「午前10時までに
提出」や「午後6時にチェックバック」のように、時間を事前に決めておく。
そうすれば、当日連絡がつかない、待たされるといったトラブルが減り、より
スムーズな進行できるだろう。

■ 余計な仕事を増やさない

公開日直前で細かい修正が発生する時、やりとりのミスは致命傷になりかねな
い。修正事項は画面をプリントアウトして、具体的な内容を書き込む。その際
ウェブデザイナーが確認しながら、書き込めばより間違いが少なくなる。修正
後の最終確認にも重要だ。

当たり前のこと、簡単なことは、慣れるとつい省略しがちだ。しかし、お互い
のやりとりに曖昧さを残さないことが、プロジェクトをスムーズに進めるコツ
である。面倒だと感じるポイント逃さないことで、よりよいデザインを生み出
すことができるだろう。

----------------------------------------------------------------------
【PROFILE】 石原 強 [ ウェブプロデューサー、ウェブアナリスト ]
 http://www.webanalyst.jp/  mailto:info@webanalyst.jp
----------------------------------------------------------------------
 
======================================================================
『編集後記』
  「環境の変化と音」
======================================================================

先月末に、20年以上住んでた家を引越したのですが、最初の1週間って、ほんと
慣れなかったです。家や部屋の環境の違いっていうのが、こんなに大きいもの
なんだ、って実感しましたね。いつも、そこにあったものが、なかったり、
場所が変わったりしていると、ホント生活のリズムがぎこちないです。
3週間経ってなんとか慣れましたが、以前より静かなところなので、夜がぐっ
すり眠れる感じで、まあよかったかな、という感じしてます。

ということで、今月は、編集後記に書く話題が特に思いつかなかったので、
ここ最近購入したCDをご紹介します。

  " LOVE'S DRIPIN "      Leon Ware
  " LOVE STORIES "       Frank McComb
  " CONTRASTS "          Marcos Valle
  " BODILY FUNCTIONS "   Herbert
  " fruits & roots "     wyolica

友人の紹介やCDショップでの試聴買いとか、ジャンルもいろいろですが、
ここ数年、あまりこだわりなく幅広い音を楽しめるようになってきた気が
します。引越しで疲れたせいか、wyolica の曲が妙になごむここ最近です。
 http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/wyolica/

 Bodily Functions
"BODILY FUNCTIONS"  ( Herbert )
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005B9JQ/
レビュアー評価も高いようですが、確かに美しい音でした。

最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。
次回は、2003年12月20日発行の予定です。

====== WEB DESIGNERS MAGAZINE 『GAUZINE』 ==========================
 発 行    GAUZINE NET  [ http://www.gaucho.com/gauzine/]
 編 集    尾崎 英明  [ mailto:gaucho@hal.ne.jp ]
 登録・解除  [ http://www.gaucho.com/gauzine/home.html ]
  Copyright(C) 2003. GAUZINE NET. All rights reserved.
======================================================================




[ HOME ] [ BACK NUMBER ]
No.   

Copyright (c) 2003. GAUZINE NET. All Rights Reserved.
[Link] 資格 アイホーン 携帯画像 マンション Foreign Exchange 求人 情報 マッサージ 海外旅行 ウエディングドレス 札幌 賃貸 seo コンサルティング 仙台 賃貸