GAUZINE





================================================ No.047 2003/09/20 ===

  W E B  D E S I G N E R S  M A G A Z I N E  G A U Z I N E

   [COVER]  http://www.gaucho.com/gauzine/gallery/030920.html 

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                        配信部数:5,613部
『GAUZINE』 No.047 のラインナップ
 ┃
 ┣『ショートムービー研究所』
 ┃ 「物語をつくる(3)主人公のキャラクター」
 ┣『ちょっと知っておきたいコミュニケーションデザイン』
 ┃ 「最もイケていた(?)Web提案『聞くサイト』」
 ┣『お金をかけないサイト運営術』
 ┃ 「ウェブサイトの健康管理」 
 ┗『編集後記』「デブラ・ウィンガーを探して」
 
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『ショートムービー研究所』
   「物語をつくる(3)主人公のキャラクター」 
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『ショートムービー研究所』は、ブロードバンド時代に対応していくスキル
としての「映像表現」について探求していく企画です。

「物語をつくる(1)テーマと設定」
「物語をつくる(2)テーマの背後にあるもの」

と、物語をつくるにあたって重要だと思われることを、いろいろ考えてきまし
たが、今回は物語に登場する人物の「キャラクター」について考えてみます。

■ 登場人物の役割

物語のテーマやその背景にある「伝えたいこと」が決まってくると、それら
を物語の中で「表現する」登場人物が必要になってきます。

登場人物には、それぞれ「役割」があり、主人公を中心にして、さまざまな
関係性を築いていきながら、物語を展開していきます。

クリストファー・ボグラーの「神話の法則」によると、神話の登場人物は、
大きく7つのキャラクターに分類され、それぞれが主人公との関係性に
おいて物語の中での役割をはたしている、と分析されています。
その7つはユングの提唱した「アーキタイプ=元型」という言葉で説明され、

 1.ヒーロー(英雄)=(主人公)
 2.メンター(賢者)
 3.シュレスホールド・ガーディアン(門番)
 4.ヘラルド(使者)
 5.シェイプシフター(変化する者)
 6.シャドウ(影/悪者)=(敵対者)
 7.トリックスター(いたずら者)

という呼び名で分けられています。
それぞれの役割について細かく説明すると、一冊の本ができるほどですが、
「スター・ウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」などの登場人物を思い
起こせば、なんとなくそれにあてはまるキャラクターが想像つくかと思います。
現代劇においても、これらの7つのキャラクターは、変化、改良させながらも
登場人物の役割を設定する上で、応用され使われつづけています。

例えば、「羊たちの沈黙」におけるレクター博士は「シャドウ(影/悪者)」
の象徴でありながらも、主人公のクラリスにとっては、助言を与えられる
「メンター(賢者)」としての役割も持つ複合的キャラクターと言えます。

■ キャラクター造形の要素

リンダ・シガーの「ハリウッド・リライティング・バイブル」によると、
魅力的なキャラクターを造形していく場合、
「思考」「感情」「行動」
という3つの要素が重要になってきます。

キャラクターを外面的要素で考えていく場合、
年齢、性別、職業、趣味、家族構成などで表現することもできますが、
「思考」「感情」という内面的要素の反映が「行動」という形で表現され
ることによって、はじめて登場人物が、人間としての真実味を帯びてくる
ようになります。

登場人物の思考や哲学は態度にあらわれ、感情的気質は意志決定や行動の
基盤となり、感情的反応として、キャラクターを生み出していきます。
観客が登場人物に共感するのは、登場人物の感情を通してであり、
キャラクターには、観客が理解できるような感情表現が必要となります。

■ 主人公のキャラクター

物語の中の登場人物の関係性を作っていく上で中心となるのは、やはり物語
の主人公のキャラクターかと思います。

前回ご紹介した「英雄伝説の基本構造」によると、多くの物語は主人公が数々
の試練を乗り越えて成長していく過程を描いたものであり、主人公の冒険の旅
と観客の人生の旅が重なることによって共感や感動が生まる、という側面が
あることを書きました。

物語というのは、時間的経過によって起こるある種の「変化」を描く芸術でも
あり、その変化は、主人公の「学び」や「成長」によって象徴的に表現されて
いきます。主人公のキャラクターを造形していく場合も、その「変化」を前提
に考えていく必要があるようです。

■ 成長する主人公

主人公の変化を考えていく場合も、やはり「思考」と「感情」の変化が重要
になってきます。何らかの出来事をきっかけにした主人公の内面的変化が
「行動」という外面的変化に反映されるためには、「思考」や「感情」に
何らかの変化が起こっていく必要があります。

キャラクターを作る場合にも、変化によって成長する前と、成長した後の
対比やコントラストが明確になっているほうが、物語の展開もメリハリが
つきます。ただ、その変化や成長に真実味があるかどうかは、その変化の
過程における主人公の微妙な内面的変化がよりリアルに描かれているか
どうかにもかかってきます。

人間、そんなに急にはなかなか変化できないものなのですが、その変化に
説得力があるかどうかは、物語の展開や出来事の内容が関係してきます。
もちろん、すべての物語にリアルさを追求する必要もなく、荒唐無稽に
唐突に変貌する主人公がいても、それはそれでおもしろいかと思います。

■ キャラクターの多面性と行動の変化

物語の主人公は、「多面性」を持っていたほうが真実味があり、より人間的
な魅力あふれるキャラクターとして観客の共感や一体感を得やすくなります。

「多面性」は、人間に内包するさまざまな側面であり、欠点や悩みを抱えて
苦悩したり、善と悪のはざまで悩み、葛藤したりするほど、より我々に近い
存在として親近感がわいてくるものです。

そして、そんなごく普通の人物が何かの出来事や事件をきっかけに変化して
いく姿は、我々が心のどこかに秘めている「憧れ」のようなものでもあり、
その変化の過程を物語を通して、疑似体験しているのかもしれません。

主人公のキャラクターには、そうした「多面性」と「行動の変化」がとても
重要であり、観客が主人公に共感したり、感情移入したりできるかどうかが
その物語を魅力的にするかどうかに、大きく関係してくると思われます。

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■ 参考書籍
  夢を語る技術〈5〉神話の法則―ライターズ・ジャーニー
 「神話の法則」クリストファー・ボグラー
 「ハリウッド・リライティング・バイブル」リンダ・シガー
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【PROFILE】 尾崎英明  [ GAUCHO ]
 http://www.gaucho.com/  mailto:gaucho@hal.ne.jp
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『ちょっと知っておきたいコミュニケーションデザイン』
   「〜最もイケていた(?)Web提案『聞くサイト』〜」
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今日はやや趣向をかえまして、想い出話なぞを。


Webサイトの提案は少なからずやっているのですが、先日ふと「これまでに最も
イケてた提案ってどんなサイト?」と聞かれました。あまりにも何気ない話の
折、軽く返そうかと思いつつも「ううむ、待てよ」と唸ってしまいました。
『運営側も利用側にも価値が高いもので・・・』、思いはめぐらせど、なかな
かあてはまるものがみつからず、それに従い実力不足の反省の念は高まるばか
りです。


そもそもWeb企画とは、ユーザ側から発するべきものです。『○○をしてほし
い!』『はい。私が提供できますよ』という順番です。本来、ネットは利用自主
性の高いもの、当たり前といえば当たり前です。『支持価値』といってもよいか
もしれません。支持価値が高いからこそさらに強固なビジネスに発展していくわ
けです。

また、誰にでもあてはまる汎用性の高いWeb企画なんて存在しません。車選びの
相談は相談好きな人ではなく、車好きにするものです。わたしたちは常に運営者
の素養に価値を置いているので、企画への向き不向きは当然出てきます。

というところで、ひとつ旧き懐かしき提案を思い出しました。


■ 京都市『聞くサイト』

トップページにで〜んと、ご相談フォームが鎮座しているだけのシンプルなサイ
トです。

市民の相談は明確になってないことが少なくない。情報発信よりも、まっさきに
相談にのってくれる行政なんてすばらしいものです。行政側も、市民の声から問
題の再発見につながるでしょう、とかれこれ10年近く前、たった1枚のラフだけ
でしたが、ご提案。惜しまれながらも(笑)丁重に却下されました。
とはいえ、一緒に企画を練った先輩プランナーさんとは大いに盛り上がり、友人
に話してはさらに盛り上がり、親兄弟にまで話をしたのを憶えています。この魅
力は何なのだろう、といまさらながら考えたのですが、

自分が直接利用者である企画だったのです。
最も適任な方への企画だったのです。


情報双方向性の具体化・・・、口にすると煙にまかれそうなこんな言葉も、自分
が利用者だったら素直にできることなのかも、と思い直す始末です。

コミュニケーションをデザインしているつもりが、肝心のツボを忘れてしまいが
ちなことを思い知らされた友人からの問いかけでした。

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【PROFILE】 井浦むつお  [ 有限会社ヒキダス ]
 http://www.hikidas.com/  mailto:iura@hikidas.com
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『お金をかけないサイト運営術』
   「ウェブサイトの健康管理」
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お金をかけずに魅力あるサイトに変えるテクニックを伝授する連載3回目。
前回は、増え続けるリンクやコンテンツを絞り込むルールについてお話しまし
た。今回はサイトの抱える問題点をあぶりだす「サイト診断5つのポイント」
です。

■ アクセス数にごまかされるな

サイト全体のアクセス数ばかり気にする企業が多いが、その数の増減は、ほと
んど意味が無い。ある程度の規模の企業なら、何も手を打たなくても一定のア
クセスがあって当然なのだ。それが1日100でも10,000でも、サイトの現状把握
には役に立たない。それよりも大事なのは「アクセスしたユーザが何ページ見
ているか」である。

まず、ユーザ一訪問あたりのアクセス数を調べよう。平均が3ページ以下の場
合、サイトのコンテンツは、あまり見られていない可能性が高い。せっかくア
クセスしてくれたユーザが、すぐに他のサイトへ逃げてしまってるのだ。なぜ
だろうか?分かりにくいトップページにウンザリして?お目当てのコンテンツ
が見つからずにイライラして?ユーザの立場で想像してみて欲しい。

■ 細部の変化に目を光らせる

アクセス数で大事なのは、全体ではなく、部分。1回の量でなく変化だ。各コ
ンテンツごとのアクセス数や、利用率を1週間、1ヶ月単位で集計して、変化を
常に把握するのだ。エクセルを使ってアクセス数の変化をグラフにしたり、利
用率の多い順にランキングを作ってみると一目で変化をチェックできる。

アクセス数は、コンテンツを更新した時に上がり、緩やかに落ちていく。しか
し、アクセス数が多くなっても利用率は大きく変わらない。更新してもまった
くアクセスが上がらなかったり、利用率が急に下がったりしたときは、やりか
たに問題がなかったか検証してみる必要がある。

■ ギャンブル感覚でアクセス予想

コンテンツ更新のたびに増えてきたリンクやバナーを整理する。リンクの有効
性を調べるには、わざとリンクを移動したり、削除してみるのも効果的な方法
だ。そして、削除前後のアクセス数やコンテンツの利用率を比較することで、
リンクの有無がどの程度アクセスに影響するかが把握できる。

またリンクを移動する際は、何らかの予想が不可欠だ。例えば「バナーの位置
をページの左上に変えたらアクセス数は増えるだろう」等々。初めはどんな単
純な予想でもいい。予想を立て、実行し結果を確認する。勝ち馬を予想せずに
賭ける競馬なんて、損するばかりでちっとも面白くないだろう。サイトも同じ
である。競馬新聞ならぬアクセス集計表を眺めて、ギャンブル感覚で予想して
みよう。

■ メニューは5つまでに絞る

サイト内のコンテンツにできるだけアクセスして欲しいと、サイト内の情報を
すべてトップページに羅列してしまう。しかし、トップページがごちゃごちゃ
していて、ユーザが一目で内容を把握できなければ、そもそもサイトの中に入
らずに、他のサイトへ去ってしまう。

サイトに必要だけど優先順位の低いコンテンツは、似たテーマの複数のコンテ
ンツをまとめて、新しいメニューを作成する。それもそのままでは、増えすぎ
てしまう。人が一目で把握できるのは、片手で数えられる数までということ
だ。だから、メニューは5つ以内にまとめるべきだ。

■ サイトのゴールはどこ?

サイトの成果が見えないと悩む企業は少なくない。しかし成果は、アクセスや
問い合わせ件数などのサイト上の数値だけでは把握できない。例えば、アクセ
ス数に対する、お問い合わせ電話の数の変化や、Eメールとダイレクトメール
の集客数とコストなど。ネットとリアルの数値との比較や、質量のバランス感
覚がなければ、成果の把握は難しい。

ここで改めて考えて欲しい。「サイトの目的はなんだろう?」「サイトで実現
したいのは何か?」目標がなければ、成果の出しようもない。初めはどんな小
さなものでもいいから、具体的な「目標」をたてること。それが成果を出す第
一歩になる。

漫然とサイトを運営していたのでは、いつも手間ばかり掛かって、一向に成果
が上がらないサイトのままだ。以上の5つのポイントに参考に、サイトの抱え
る問題をあぶり出して欲しい。それらの問題を一つ一つ解決していくことで、
確実にサイトの魅力がアップするのだから。

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【PROFILE】 石原 強 [ 株式会社コンポレクス ]
 http://www.compolex.jp/  mailto:t.ishihara@compolex.jp
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『編集後記』
  「デブラ・ウィンガーを探して」
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 デブラ・ウィンガーを探して デブラ・ウィンガーを探して―ハリウッド女優34人の哲学
「デブラ・ウィンガーを探して」
 http://www.debra.jp/
 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD3065/

「グラン・ブルー」などで知られる女優のロザンナ・アークェットが、
34人の有名女優にインタビューをしていったドキュメンタリー作品。

登場する34人の女優は、
http://www.debra.jp/cast.html
ですが、どの女優も素直に自分の心境を語ってますし、特にベテランの大女優
であるジェーン・フォンダやシャーロット・ランプリングとかは、話している
だけでその存在感に圧倒される感じです。

ジェーン・フォンダは、出演作49本のうち、たった8回だけ演技の神様が舞い
降りる瞬間を体験したことがあり、そのときの至福の経験を語るシーンは、
聞いているだけでも感動してしまうほど見事で説得力があります。

また、シャロン・ストーンは、
「ジュリアン・ムーアとか、ケイト・ブランシェットの演技を観ていると
 正直、すばらしすぎて落ち込んでしまうの。
 でも、自分は自分だと思い直して立ち直るの。」
と、自分の心境を素直に語っているのが印象的でした。

あと、ホリー・ハンターも、メグ・ライアンも、ロビン・ライト・ペンも、
役をしているとき以上にカッコ良く、ある種の風格さえ感じさせます。
もちろん、デブラ・ウィンガーも...。

この映画にでてくるのは、いわゆる特殊な職業としての女優ですが、背景に
流れるテーマは、仕事と家庭のバランスをいかにとっていくか、ということ
であり、仕事をする女性にとってはすごく身近なテーマだったと思います。


最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。
次回は、2003年10月20日発行の予定です。

====== WEB DESIGNERS MAGAZINE 『GAUZINE』 ==========================
 発 行    GAUZINE NET  [ http://www.gaucho.com/gauzine/]
 編 集    尾崎 英明  [ mailto:gaucho@hal.ne.jp ]
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