GAUZINE





================================================ No.046 2003/08/20 ===

  W E B  D E S I G N E R S  M A G A Z I N E  G A U Z I N E

   [COVER] http://www.gaucho.com/gauzine/gallery/030820.html 

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                        配信部数:5,516部
『GAUZINE』 No.046 のラインナップ
 ┃
 ┣『ショートムービー研究所』
 ┃ 「物語をつくる(2)テーマの背後にあるもの」
 ┣『ちょっと知っておきたいコミュニケーションデザイン』
 ┃ 「すぐできる、サイト訪問者へのデザイン配慮」
 ┣『お金をかけないサイト運営術』
 ┃ 「トップページのダイエット方法」 
 ┗『編集後記』「Ten Minutes Older」
 
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『ショートムービー研究所』
   「物語をつくる(2)テーマの背後にあるもの」 
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『ショートムービー研究所』は、ブロードバンド時代に対応していくスキル
としての「映像表現」について探求していく企画です。

前回の「伝えたいことがテーマ」からのつづきです。
http://www.gaucho.com/gauzine/45/index.html#001

■「目に見えないもの」とは

ある映画監督は、こんなことを言っています。
「映画は、見えないものが命である。」

また、神話学者のジョーゼフ・キャンベルは、こんなことを言ってます。
「すべての神話の基本的テーマは、
 目に見えるものを支えている目に見えないものを描くことである。」と。

この「目に見えないもの」とは、一体何なんでしょうか…。

これはひじょうに壮大で深遠なテーマであり、言葉では単純に表現仕切れない
こととは思うのですが、「地球交響曲」というドキュメンタリー映画を作って
いる龍村仁監督の「"見える世界"と"見えない世界"」というコラムの中で、
そのヒントになりそうなコメントがありました。

「物は光が当たることによって見える。
 光が当たることによって影の部分が生まれる。
 私たちは光が当たった "見えるもの" だけを実在と信じてしまう。
 しかし、そこには "見えない" 影の部分が同時に生まれ、そしてそのすべて
  の源に光そのものがある。私たちには、光そのものは見えない。
 しかし、その光の実在を感得できる"心"がある。」

このコメントをヒントにして考えると、「目に見えないもの」というのは、
物質と精神でいえば「精神」、身体と心でいえば「心」の部分にあたると考え
られます。顕在意識と潜在意識でいえば、自分では自覚できない「潜在意識」
の部分が人間の行動の基盤になっているように、我々人間は、「目に見える
ものを支えている目に見えないもの」に大きな影響を受けています。

また精神や心の基盤となる「魂」や潜在意識のさらに奥にある「集合的無意識」
と呼ばれるような領域や、「運命」「宿命」「奇跡」などと呼ばれる神秘的な
出来事も含めて、「目に見えないもの」が、人間、自然、宇宙全体になんらか
の影響を与えているように思えます。

「光」は、自然の摂理や生命システムをつかさどっている「大いなる存在」の
象徴でもあり、それらは一般的に「神」とか「創造主」という言葉で呼ばれる、
すべての宇宙の源としての「目に見えない」存在とも言えます。

科学的には、まだ解明されていないこれらの「不可視の領域」の存在を伝えて
いくことが、ジョーゼフ・キャンベルが研究して体系化していった「神話」の
存在意義のひとつでもあったような気がします。

「目に見えないもの」をどうとらえ、どう描いていくかということが、物語を
つくる上でも、映像をつくる上でも、とても重要で根本的な部分になっている
ような気がします。


■ 神話的要素を取り入れる

「物語をつくる」といっても、すべてを「神話」のような壮大な物語にする必
要性もないのですが、神話的要素や神話的世界観を物語の中に取り入れること
によって、「目に見えないもの」を描きだすためのひとつの流れや構造のよう
なものを作りだすことは可能かと思います。

ジョーゼフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」(1984年)
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0704.html
という本の中で体系化された「英雄伝説の基本構造」というものがあります。

すごく簡単に言ってしまうと、
 (1)「セパレーション」 (分離・旅立ち)
 (2)「イニシエーション」(試練・通過儀礼)
 (3)「リターン」    (帰還)

という流れですが、主人公の英雄が、日常生活から冒険の旅に出かけ、そこで
さまざまな体験をし成長して再び日常生活に帰ってくる、その過程でさまざま
な出会い、別れ、苦悩、葛藤、試練、恩恵などを経験するプロセスで物語が形
成されていきます。この「英雄伝説の基本構造」に影響を受けたジョージ・
ルーカスが「スター・ウォーズ」にその原理を適用したことはよく知られて
います。

「英雄伝説の基本構造」の詳細については、松岡正剛さんのレビュー
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0704.html
の中でも詳しく説明されてますので、そちらをご参照下さい。
数多くの映画やドラマがキャンベルの提唱した「英雄伝説の基本構造」を
応用し発展させた物語構造をもっていることがわかるかと思います。

多くの物語の主人公は、冒頭においては、ごく平凡な日常的な生活をおくって
います。そして、ふとした事件や出来事をきっかけに冒険の旅に出かけざるお
えない状況に追いやられます。冒険の旅では、旅の仲間や敵対する者に出会い、
数々の試練や葛藤を乗り越えていく過程が描かれていきます。そして最大の試
練は最大の危機でもあり、主人公はほとんど死に直面します。しかし、仲間や
超自然的な力などに助けられ、なんとか最大の試練を乗り越えます。この過程
で主人公は、ある種の宝物を手にいれます。そして、主人公は、宝物を持って
再び平凡な日常に帰還していきます。

主人公が数々の試練を乗り越えて成長していく物語、というのは、ほとんど
の場合、このキャンベルの「英雄伝説の基本構造」が原型になっていること
がわかります。舞台を現代におきかえて考えれば、バリエーションは無限に
考えられます。物語の多くがこの基本構造を持っているのは、主人公の冒険
の旅や人間が成長していく話というのが、我々ひとりひとりの「人生」その
ものと微妙に重なることによって、共感や感動が生まれていくからだと想像
できます。物語の本質は主人公の「学び」であり、成長の過程としての人間
の人生そのものが、反映されているからこそ、多くの人が物語にひきつけら
れていくのだと思います。

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■ 参考書籍
 「地球(ガイア)のささやき」龍村 仁
 「千の顔をもつ英雄」(上・下)ジョーゼフ・キャンベル
 「神話の力」ジョーゼフ・キャンベル+ビル・モイヤーズ
 「神話の法則」クリストファー・ボグラー
 「ハリウッド・リライティング・バイブル」リンダ・シガー
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【PROFILE】 尾崎英明  [ GAUCHO ]
 http://www.gaucho.com/  mailto:gaucho@hal.ne.jp
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『ちょっと知っておきたいコミュニケーションデザイン』
   「〜すぐできる、サイト訪問者へのデザイン配慮〜」
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いま「フレームのデメリットは何ですか?」と、聞かれると私は「来訪機会の
損失です」と答えます。フレームとユーザの乖離とは相関なさそうにみえます
が、大いにあります。

以前、トップページはサイトのトップだけではない。という意味合いのコラムを
書きました。検索サイトやメールマガジン、友人の紹介など、入り口が多様化し
ています。ある調査では、オンライン購入希望者のほぼ半数が検索サイトから訪
れるというデータもあります。
今回注目したいのは、それらで紹介されるリンクがトップページではなく、商品
や記事の個別ページも多いということです。新規ユーザがいきなり特定のサイト
内の個別ページに現れること。考えてみればとても自然なことですが、このこと
がサイトづくりにどう影響を与えるのか考えてみましょう。

サイトをつくる場合、トップページから順次遷移をつくってゆくことはよくあり
ますね。情報を整理し構造化する点では欠かせません。しかし、情報を整理する
ことと、サイト訪問を考えることは、全く別の問題なのです。いきなり商品Aや
記事Aのページに新規のユーザは訪れます。もし、商品Aを見ているユーザが色違
い、サイズ違いだったら検討したいなあ、と思っていたとして、「商品一覧」の
ボタンを探してもどこにも見あたらなかったらどうでしょう?もし会社に問い合
わせたいと思っても問い合わせ先が見つからなかったら?実は、フレーム利用の
ページでは大いにありうる話です。冒頭の「来訪機会の損失」の所以です。


各ページがトップページ。では、どういう点に気をつけたらよいか具体的に記し
てみます。

1.タグラインは全ページに必須。
トップページだけに「○○○のレンタルなら当サイトにお任せ!」と強調しては
いても、商品ページの来訪ユーザは買えるものと思いこむかもしれません。何を
提供しているサイトなのかはどのページでも告知しておきたいものです。

2.サイトメニューは必ず用意。
他の関連情報を探したい、問い合わせたい、どこが経営しているのか知りた
い、・・・サイトによって違いはありますが、認知行動はある程度普遍的なもの
があります。サイトメニューは必ず用意したいものです。その際、誰が見てもわ
かりやすい言葉遣いだとベターですね。

3.関連情報紹介は新規ユーザにも特にわかりやすい言葉で。
関連情報リンクはぜひ用意したいことです。しかし、よくあるのが型番のみで関
連商品にリンク、といった類いです。非常に重要なリンクなのに、前知識がない
と理解できないものはもったいないものです。
 
4.ページのタイトルも新規ユーザにわかりやすく。
商品紹介ページのタイトルに「口径ミディアム版」などと大きく書かれていて
も、やや理解に苦しみますね。一覧ページから来た人には問題ないかもしれませ
んが、予備知識がないことを前提にすべきです。そういう意味で、写真などわか
りやすい資料の必要性も高まります。

  ・
  ・
  ・

まだまだ言い足りないことは多々ありますが、重要なのは「トップページからの
遷移」という流れの中でしか成立しないデザインを避けることです。と一口に
言っても、なかなか難しいことですが。。。(汗;)

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【PROFILE】 井浦むつお  [ 有限会社ヒキダス ]
 http://www.hikidas.com/  mailto:iura@hikidas.com
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『お金をかけないサイト運営術』
   「トップページのダイエット方法」
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お金をかけずに魅力あるサイトに変えるテクニックを伝授する連載2回目。
前回は、数多いリンクを減らし、必要な情報を絞り込んで掲載することがコス
トパフォーマンスの高いウェブサイトになる条件だとお話しました。今回は、
ずばり「減らし方」です。実際にどうやってコンテンツを減らしたらいいので
しょうか。

■ トップページのリンク数の絞り込み

情報を満載したトップページは、ユーザに多くの選択肢を与える魅力的なサイ
トであるように見えるが、それは間違いだ。ユーザは、どれを見ていいかわか
らくなくて迷ってしまうし、重要なリンクが埋もれてしまう可能性も大きい。
少ないリンクでユーザを適切なコンテンツへ導く。それが良いトップページの
条件だ。

現在、公開しているトップページのリンクの数を数えてみて欲しい。1年前の
トップページと比べてみて、リンクが増えているとしたら、増えた分だけ、
ユーザが迷いやすくなっている。不必要な情報を削り、適切な量に絞り込む
「ダイエット」が必要だ。その基準は何か、ブラウザで最初に表示されるス
ペースに収まる情報量だ。ページの中で情報を最もよく伝達できるのは、すぐ
に表示されるエリアだから、そこに収まる情報量に絞るべきだ。

■ 掲載情報の優先順位と削除基準作り

一般的に、トップページには新しい情報が順次に掲載され、コンテンツは時と
ともに着実に増え続けていく。これらの大部分はすぐ古くなり、ユーザにとっ
て魅力のない情報になる。ユーザが見ない無駄なコンテンツは、サイトの贅肉
のようなものだ。この「贅肉コンテンツ」は、本来、見せるべき「生きたコン
テンツ」を圧迫して目立たなくしてしまうから、順次減らしていかなくてはな
らない。掲載するのは簡単でも、削除するには、コンテンツに関係する部署や
担当者への説明など、以外と骨がおれる仕事が待っている。

誰もが、掲載していた情報を削るのは不安だし、担当者との交渉も心理的負担
が大きい。相手によっては、いざこざになることだってある。それを避けたい
ならば、常に一定のルールでコンテンツに優先順位をつけ、その順位に従って
トップページの面積を配分するというルールを作らなければならない。そのよ
うなルールを定着させることが、社内の摩擦を減らし、効率の良いサイト運営
の基礎になるのだ。

■ コンテンツの利用率を調べる

削除する基準は、誰の目にも明らかな、数字で表されることが望ましい。サイ
トの内容が異なるから、簡単に決められないが、ここで一つの基準となる数値
として「利用率」を調べてみてはどうだろうか。サイトに訪れたユーザが、ど
のサイト内のコンテンツ見たのか調べるのだ。

 コンテンツ利用率(%)=
 コンテンツを閲覧したユーザ数 ÷ サイトにアクセスしたユーザ数

割合を見ることで、サイトのアクセス数の増減にかかわらず、ある程度一定の
データが得られる。ある基準値以下に利用率が下がったページは、この際、思
い切って削除することにする。ユーザが見ていないのなら、無い方がマシの
「贅肉コンテンツ」だからだ。

サイトには情報をいくらでも載せられるから、本当に必要なページだけに絞ら
なければ、すぐに収集がつかなくなってしまう。あなたのサイトにふさわしい
ルールや基準値を設定することで、「生きたコンテンツ」が実力を発揮できる
スリムなサイトを作って欲しい。

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【PROFILE】 石原 強 [ 株式会社コンポレクス ]
 http://www.compolex.jp/  mailto:t.ishihara@compolex.jp
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『編集後記』
  「Ten Minutes Older」
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まだ2ケ月以上先の話ですが、11月1日より開催される第16回東京国際映画祭
┗ http://www.tiff-jp.net/index_j.html
で上映される予定の、世界の巨匠監督15人による「時間(とき)」をテーマに
した「10ミニッツ・オールダー」という短編オムニバス作品があります。

 10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル
◆「Ten Minutes Older」
┗ http://www.tenminutesolder.com/

参加している15人の監督は、
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「Ten Minutes Older: The Trumpet」(10ミニッツ オールダー:人生のメビウス)
 ●アキ・カウリスマキ
 ●ヴィクトル・エリセ
 ●ヴェルナー・ヘルツォーク
 ●ジム・ジャームッシュ
 ●ヴィム・ヴェンダース
 ●スパイク・リー
 ●チェン・カイコー 
 http://www.tenminutesolder.co.uk/trumpet.html (予告編あり)
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「Ten Minutes Older: The Cello」(10ミニッツ オールダー:イデアの森)
 ●ベルナルド・ベルトルッチ
 ●マイク・フィギス
 ●イジー・メンツェル
 ●イシュトヴァン・サボー
 ●クレ−ル・ドゥニ
 ●フォルカー・シュレンドルフ
 ●マイケル・ラドフォード
 ●ジャン=リュック・ゴダール 
 http://www.tenminutesolder.co.uk/cello.html
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で、どちらかといえば、アート系の作品を手掛けている監督が多いですが、
個人的には、マイク・フィギス、クレ−ル・ドゥニあたりの作品が気になると
ころです。マイク・フィギスは、2000年の「Timecode」で見せた画面4分割
の手法を今回の短編でも使っているようです。
http://www.tenminutesolder.co.uk/cello/mik/mik.html
あと、ジャームッシュ作品に登場するクロエ・セヴィニー、絵になります。
http://www.tenminutesolder.co.uk/trumpet/jim/jim.html
いずれにしても、巨匠の撮った「時間」をテーマにした10分の短編、一体どん
な作品なのか楽しみです。

最後までご覧になっていただき、ありがとうございました。
次回は、2003年9月20日発行の予定です。

====== WEB DESIGNERS MAGAZINE 『GAUZINE』 ==========================
 発 行    GAUZINE NET  [ http://www.gaucho.com/gauzine/]
 編 集    尾崎 英明  [ mailto:gaucho@hal.ne.jp ]
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